口臭検査

口臭の原因、VSC臭とは

 口臭に含まれる嫌な匂いの成分は20種類以上あり、中でも揮発性硫黄化合物(VSC)は特有の臭いがあります。このVSC臭は主に次の3種類のガスからなり口臭の原因物質と言われています。

硫化水素 H²S 

メチルメルカプタン CH³SH 

ジメチルサルファイト (CH³)²S

口臭分析装置(KunKun Dental)でこれら各成分の濃度を測定し、VSCの強さをレベル0〜4の5段階表示します。「数値が高い=臭い」ということです。結果は時系列でグラフ表示され治療経過を見ることができます。

口臭の分類

 口臭症は、口臭を有する真性口臭症口臭が認められない仮性口臭症・口臭恐怖症に分類される。口臭が実際にはない後者は自臭症とも呼ばれ、「口臭が強い」「臭いと思われている」と、思い込んで、気にする必要のない臭いや周囲のちょっとした仕草に、過剰に反応し悩んでしまう精神疾患です。

口臭検査を受けることで原因が明確になります

1.真性口臭症 
社会的容認限度を超える明らかな口臭が認められるもの 

2.仮性口臭症 
口臭を訴えるが、社会的容認限度を超える口臭は認められず検査結果などの説明により、訴えの改善が期待できるもの

3.口臭恐怖症 
真性、仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないもの

真性口臭症の分類

 真性口臭症には、病的口臭と病気とは無関係な生理的口臭があります。

     生理的口臭の原因

     ① 舌苔
     ② お口の乾燥(唾液不足)
     ③ ホルモンの変調
     ④ 嗜 好品・飲食物・薬物

①舌苔
 剥がれた粘膜・食べかす(タンパク質)・様々な細菌
②お口の乾燥(唾液不足)
 起床時、空腹時、緊張時、疲労時、加齢性
③ホルモンの変調
 妊娠時、月経時、思春期、更年期
④嗜好品・飲食物・薬物
 ニコチン、アルコール、ビタミン剤など

     病的口臭の原因

     ①口腔由来

     ②全身由来

①口腔由来
 歯周病、むし歯、舌炎、口内炎、悪性腫瘍、ドライマウス、口呼吸など
②全身由来
 鼻咽頭疾患、消化器疾患、肝疾患(アミン臭)、糖尿病(アセトン臭)、腎疾患(アンモニア臭)、呼吸器疾患など

口臭症治療のガイドライン

 口臭は、90%以上が口の中の病気が原因(生理的口臭・口腔由来の病的口臭)と言われ、上図のように全ての口臭治療にTN1が入り、治療を進めていく上で口腔内のセルフケアが重要となります。セルフケアをする上で必要となるのは、歯垢(デンタル・プラーク)を除去することです。プラークが形成されるのは、歯の表面だけではなく、舌背(舌を出したときに見える舌の面)や、入れ歯の表面にも付着します。舌背に形成されるプラークを舌苔、入れ歯の表面に形成されるプラークをデンチャー・プラークと呼ばれ、それぞれ、舌ブラシや 義歯用ブラシ による機械的清掃が必要です。
 また、舌苔で産生される生理的口臭と歯周病が原因 の病的口臭は、それぞれ口臭患者の約 1/3 を占めると言われています 。歯周病による口臭は、歯肉から発生するのではなく、実は多くが舌苔から発生します。つまり口臭患者の約2/3に舌苔が関与していることになります。舌苔のセルフケアは口臭対策として必須です。