「歯ぎしり」について

「歯ぎしり」の種類

「歯ぎしり」は96%の人がしているという報告(Peterson 1955)もあり、大なり小なり誰でも行なっている一種の癖と考えます。主に次の3つのタイプがあります。

グラインディング(こすり合せる)

一般的に「歯ぎしり』と言われ、上下の歯を強くこすり合せ、ギシギシ・キリキリなどの音がする。

クレンチング(噛みしめる)

強い力で食いしばり、音はほとんどしません

タッピング(鳴らす)

カチカチ上下の歯をぶつける。

寝てる時はもちろんですが、何かに集中している時など気づかないことも多く、特に音のしない「歯ぎしり」には注意が必要です。

今この文章を読んでいるあなたの上下の歯はどうなってますか?リラックスしている時上下の唇は接触してますが、上下の歯は接触していません。ところが緊張したり、何かに集中すると無意識に特定の歯を押し付け食いしばることがあります。これが長時間続くことでいろんな所に影響が出る場合があります。

「歯ぎしり」の影響

次の症状がすべて「歯ぎしり」からくるわけではありませんが、症状を悪化させる原因の一つです。

歯への障害

歯の磨耗・歯の破折・歯がしみる・噛むと痛い

歯を支える骨や歯茎への障害

歯肉炎・歯周炎

顎の関節への影響

顎関節痛・開口障害・カックン音

全身への影響

顔面痛・頭痛・肩凝り・腕のしびれ・腰痛

その他

舌痛症・むちうち症状・倦怠感など

また、歯ぎしりの明確な原因はまだわかってませんが、上下の噛み合わせが悪い場合や精神的疲労・ストレスが重なると起こしやすい傾向にあります。

「歯ぎしり」の改善

特に問題を起こさない限り、放置しても構わないのですが、無用な癖が症状の悪化をまねいてている場合は改善が必要です。

まず日中の気づきから始めます。睡眠中に歯ぎしりしている方は、起きている時も歯ぎしりをしていることが多く、ほとんどの方が自覚していません。何かテープや張り紙など目印をつけておいて、それが目に入ったら上下の歯がどうなっているか意識してみましょう。

次に意識できない睡眠時は、就寝前に「絶対上下の歯を合わせないぞ」と自己暗示をかけリラックスして良いイメージを意識して眠りにつきます。遠足前に目覚まし時計を6時にして、その時間前に目が覚めた経験ありませんか?今ある症状がなくなってスッキリしたあなたの姿を描きながら眠りに入って下さい。

うまくいかなければ、マウスピースのような器具(ナイトガード)を就寝時に装着し、上下の歯が直接あたらないようにし、歯ぎしりによる、歯やあごへの負担を軽減させる効果を期待します。マウスピースを装着することで、歯ぎしりによる身体への負荷も軽減できるので、筋肉の緊張も和らげることができ、肩こりや頭痛が軽減されます。朝目覚めると重かった身体も、軽くなってすっきりと目覚めることができるようにもなります。